まいねじゃ!

青森出身岡山県民「まいね」のシングルライフ。

【読書】酒井順子『先達のご意見』


『先達のご意見』
酒井順子 著
文春文庫

資格試験も終わったし本が読めるぞ~♪ってなわけで、
潜水からの息継ぎの如く、本を身体に送り込む日々。
秋の夜長は美味しいお酒と本があれば、それだけで一等幸せですね~(*´ω`*)

※以降、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。



「未婚、子なし、三十代以上の女性=負け犬」と定義付け、
大ベストセラーとなった『負け犬の遠吠え』。
波紋が波紋を呼び2004年の流行語大賞にも選ばれた”負け犬”について、
酒井さんと偉大な先達たちが対談する十番勝負!


酒井さんの著作は学生時代から(ワケも分からず)ちょいちょい読んではいたのだけど、
久しぶりに三十歳過ぎて読んだらもう、たまらなく面白いです。
共感どころか(アンタはオレか!?)って思うほど!
クールでシビアな目を持ち、上手いところを突く文章は流石で、何度も膝を叩きました。
膝が痛いのなんの(;O;)

上述したように、酒井さんの言う”負け犬”とは未婚、子なし、三十歳以上の女性を指していて、
そうでない人は”勝ち犬”ということになります(女性は男性に置き換えても良いかな、多分)。
便宜上勝ち、負けという言葉を使っていますが、この”勝ち負け”に上下の差はありませんし、
負け犬勝ち犬それぞれの幸せに優劣もありません。
「結婚していない人がいます、結婚している人もいます」=「負け犬、勝ち犬」と
言い換えているだけくらいのニュアンスでしょう。
だからこそ、酒井さん自身”私負け犬です”的な、清々しいほどの積極的負け宣言をし(w)、
バリバリ仕事をし、源氏物語を嗜んだり着物で歌舞伎を見たりなど和物趣味にうつつを抜かし、
周囲にも「結婚はしてないけど、これはこれで楽しそうだな」と思わせるほどの
負けライフを堪能(!?)していらっしゃるんだと思います。
#そういえば和物って負け犬向きの趣味なんですよね。お金と時間が十分ないと
#どっぷりハマれないので、家族持ちにはちと厳しいかもしれません。
#そんなまいねも落語と寺社仏閣巡りが好きな立派な負け犬ですw
#本著の影響を受けて、久しぶりに源氏物語を読み返すのも良いかもなぁ…
#もちろん、今色んな意味で話題の寂聴訳で!w

ただ、言わゆる世間一般の”負け犬”のニュアンスというかレッテル、すなわち
「負け犬=結婚するという(ごくごく当たり前の)ことができない人」
という視線も認識しており(負け犬の人生も楽しいけど、やはり結婚したいなぁ)
ってな旨の記述も何度も出てきます。恐らくまいねと一緒で、結局今の生活が続いて、
所謂「茶飲み友達」が十分にいれば、人生特に問題ないんじゃね?と心のどこかで思っており、
負け犬のままでいいやとも開き直れず、かといって勝ち犬になるべく遮二無二頑張るほどの
モチベーションもない、宙ぶらりんなんじゃないかと思いますw
#一方で、マツコ・デラックスが以前結婚についてテレビで
#「(自分が結婚をあきらめたことが前提だけど)たった紙切れ一枚で、
# 自分以外の人も幸せになるよう頑張ることができる最高の契約だと思う」
#といった旨の発言をしていて、今より大きな幸せを得ようとする自分ってどんなかな?
#そんな自分を見てみたい気もするのです。。

上述したように、酒井さん自身(負け犬も勝ち犬もそれぞれに違った幸せがあるよね)
といった立場ですし、対談相手も結婚についてものすごく深く語るといったような
内容ではないので、”勝ち負け”という言葉尻を捉えて目くじらを立てない限りは
気軽に読める本かなって印象ですが、
やはりたまに小骨のようにチクチク刺さる言葉も出てきます。

一つは「負け犬は寛容さが足りない」。
この言葉に(そうだわ、俺、寛容さがないな!)って一番膝を叩きました!w
一緒にいる相手に求める、ある程度の容姿のレベルとか食事のマナーとか、
そういったものに留まらず、例えば岡山県民の交通マナーとか、
「事故ってねぇんじゃけー、ええがん!?」
とは全然思えないんです。もう、毎朝頭にくる光景ばかりに遭遇して、
通勤そのものがストレスに感じるくらい!w
『新婚さんいらっしゃい』に出てくるような、(…え、お前、夜こいつを抱くの?)
と思うようなカップルも「愛おしさ」という最大の寛容であり善意があればこそ
結婚しているわけで(無論、皆がそうではないですけど)、
そういったケースを見るたびに、単なるない物ねだりかもしれませんが
そんな寛容さを持っている人は人間として魅力的だなぁとも思うのです。

もう一つは「負け犬は仕事しろ」。少なくとも現在、負け犬であっても社会的に認められるのは
キャリアのある人。実社会においても
「独身だけど…仕事も趣味もガッツリやって、人生楽しんでるって感じだよね!」
って言われる人はチラホラいますよね。
本著の中でも社会的に認められているかどうか(多分に主観的でしょうが)で
負け組、勝ち組に分類しており「勝ち組の負け犬」等といった呼び方をしたりしています。
この点…まいねは完全に負け組の負け犬ですorz
仕事に対するモチベーションは低いというか持つ気すらないしw
無論「人は何ともいわば言え」も真実でしょうが、他者に認められる生き方と、
そうでない生き方であれば、前者の方が圧倒的に生き易いのは言うまでもありません。


誤解を恐れず言うなら、それぞれに幸せならそれでいいよねって話であって
本気で怒ったり悲しんだりするような深い内容ではないですが(!)、
かれこれ10年近く前の本でありながら、現在でも十分通じるような内容となっています。
自分は負け犬と開き直れる強さがあるか、
”勝ち負け”という言い方にやはりイラッとしてしまう未熟さに気付くか、
先達の意見に共感してやはり結婚しようと思うか…
いずれにしても、やんわり心に効く漢方薬的な効能があるかも。
このまま高齢化社会が進み、ある時点で一気に高齢者がいなくなる時期が来れば
「結婚あたりまえ」の価値観はだいぶ減り、負け犬が主流になる、
価値観の転換期が来るんじゃないかと(私は勝手に)思いますし、
来たるべき日に備えて、頭の片隅にあると良い内容かもしれません。

…まぁもっとも「来たるべき日」にはもう手遅れかもしれませんがorz

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プロフィール

HN:
まいね
性別:
男性
趣味:
食べ歩き、コーヒー、ギター、      自転車旅、ボードゲームなど
自己紹介:
「まいね」とは、青森の津軽弁で
「ダメ」という意味。
怒られていても怒られている気がしない、
ダメなのに、ダメな気がしない・・・
そんな錯覚を起こさせる柔らかい語感がステキです。