<ひっつみ、ぴくるす豆腐、ブロッコリーとプチトマトのガーリックオイル和え>
寺村光輔さんのうつわ展のテーマが『温故知新』ということもあり、
偶然にもちょっと前から食べたいなぁと思っていた、
青森の郷土料理”ひっつみ”をメインにすることにしました。
ひっつみというのは、端的に言えば小麦粉をこねた団子を入れた団子鍋の一種で、
生地を適当にちぎって鍋に入れる「引っ掴む」が語源と言われているお料理です。
団子の形が歪なので、味のしゅんでるところと、歯ごたえモッチモチ部分の
コントラストが楽しめるのが最大の特徴と言えるでしょう。
団子は小麦粉に少しずつぬるま湯を加えながらこね、耳たぶくらいの固さになったら
濡らして固く絞った布などにくるんで冷蔵庫で寝かせます(1~2時間)。
寝かせている間に出汁を用意します。かつおだしなどでもあっさり味で美味しいのですが、
青森の厳しい冬を乗り切るための鶏ガラ出汁、
やはりこれが一番魂に響く味が出ると思います(無駄に話がデカいw)(。-`ω-)<ソウルフル…
今回はやっと手に入った鶏ガラと、昆布の合わせだしにしました。
具材は各家庭で違いがあると思いますが、個人的には鶏もも肉、ごぼう、長ネギは
外せないですね。特に鶏ガラ出汁の中にごぼうが入った瞬間、
(そうそう、これこれ!)と懐かしくて嬉しい香りがするんですよね。
彩りよく甘味の出る人参、きのこは椎茸が入ることが多いですが、
今回はしめじを使いました。後は、まいねの大好きなたけのこも投入。
子供の頃、ひっつみや煮しめなどを作るときに祖父が
「何入で食ぅど(なにへでくぅど)?
(日本語訳:何入れて食べようか?)」
と聞かれると
「たげのごぉ!(*´▽`*)」
と(バカの一つ覚えのように)答えていたまいね。またかと笑いながらも、
煮物にも鍋物にも、しっかり筍が入っていたことが思い出されます。
もう戻らない、だけどいつになっても心を温めてくれる思い出を作ることが、
いわゆる”生きる意味”ってもんなんでしょうね・・・
<おひとついかが?>
ーーー
さて、ひっつみのことを語りすぎてしまいましたが(w)、
瑠璃柚小鉢に乗せた最初のお料理は、高梁川マルシェで購入した
桃のピクルスを乗せ、お酢をかけ、挽きたて黒コショウをちょいと振りかけた
シンプルな冷奴。香り良くほんのり甘酸っぱいお酢が、豆腐の甘さを引き立てます。
りんご灰柚小鉢に乗せた最初の料理は、にんにくの利いたパンチ力のある和え物。
生のおろしにんにくにオリーブオイル、塩、酢、黒コショウと中華スープの素を加え、
乳化するまでしっかり混ぜたものと、茹でたてのブロッコリー、プチトマトを和えます。
胃が弱っているときには刺激が強すぎるかもしれませんが、
ビタミンをたっぷり含みつつ、身体を温めますので、風邪予防が期待できそうな一品です。
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