『コーヒーゼリーの時間』木村衣有子 著(初版:2015年6月)産業編集センター※以降、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。宜しければこちらもどうぞ
<レトロ珈琲趣味本にハマる
二度あることはサンドアール(至言)ということで(ぇ)、まいね珈琲店から三度目の
コーヒータイムのお供にぴったりな本のご紹介です。
ありそうでなかった、コーヒーゼリー専門の本。
著者の木村さんが、各地のコーヒーゼリーを食べ歩き、
緻密で愛に溢れた文章表現(食感の表現からして”でゅるでゅる”まで使っちゃう多彩さ!)、
オシャレな写真とともに、コーヒーゼリーファンとその作り手の思いを、
静かで、それでいて熱く綴った一冊です。
この本を手に取ってパラパラめくり、はたと思い当るのが
「そういえば、これだけコーヒー好きなのに、コーヒーゼリーには見向きもしなかったな…」
ということ。それもそのはず、本著でも言及されていますが
”コーヒーを楽しむなら、飲むのが一番”
だから。冷やす分、香りがどうしても落ちてしまったり、
味を良くするため砂糖など加えたりなど、”コーヒーとは別物”なわけです。
やはり…と言っては失礼ですが、コーヒーゼリーはあまり売れない商品なのだそう。
とはいえ
それでも何故作られ続けるのかと問われれば、答えは明々白々
”ファンがいるから”。
良い関係性じゃないですか!
コーヒーの淹れ方をゼリー用に工夫し、
固めるもの(寒天、ゼラチン、アガー)に悩み、
味付けの砂糖、お酒などにこだわり、
ブランマンジェ、グラニテ、フルーツなど添え物をしてみて、
それでなお、日の当たらない場所をひっそり歩くような存在で、
「それでいい」と彼が言い、
「それがいい」とファンが言う感じ。
今年の夏は、しっかり冷えたコーヒーゼリーが、アツいです!
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