『いちばん危険なトイレといちばんの星空』(初版:平成22年7月)石田ゆうすけ 著幻冬舎文庫※以降、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。
7年半をかけて、自転車での世界一周を果たした著者が選ぶ”世界一”を集めたエッセイ集。資格試験も終わったし、本が読めるぞ!
ということで、前作
『行かずに死ねるか!』に引き続き、
石田さんの旅エッセイを読んでみました。
端的に言うと、良くも悪くも”よく熟成されていて、面白い”って感じ。
文字どおりの意味で命がけで、世界中を回った彼の話は、一つ一つがすごく面白いし、
元々素晴らしい文章力がある方なので、美味しい食べ物に出逢った感動とか、
へんてこエピソードの可笑しさとか、すごく良くまとまっているんだけど…
どうも、”臨場感””リアルさ”に欠ける感じがしました。
前作が
「7年半の旅を最初から最後まで追って(ほぼ時系列どおりに)書いているが、
すべては書ききれないが故に断片的になった」
のに対し、本作は
「7年半の旅の中から、テーマに沿ってピックアップしたので断片的になった」
という印象。だから”旅してる!”って感じがあんまりしないんでしょうね。
自分がやったわけでもないので、贅沢で身勝手な印象なんですけど。。
それでも、繰り返しになりますがエピソード自体は面白いし、特に前作では物足りなかった
食事に関する話などが多く、美味しさの描写も見事なので
異国の食べ物に興味のある方におススメの一冊です。
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