<図書館の書庫でゲット!書店で見つけるのは難しいかも…>
『Star girl』Jerry Spnelli 著千葉茂樹 訳※以下、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。
ひょんなことで知り合った人に教えてもらった一冊。
児童図書ではありますが、大人が読んでも楽しめる作品です。
主人公レオが通うハイスクールに、スターガールと名乗る女の子が現れます。特別見た目がキュートというわけじゃない、だけど誰よりも個性的な彼女は、誰からも愛され、やがて誰からも憎まれ、完全に無視されるようになります。そんなスターガールの彼氏になったレオの、心の揺れ動く様子を描いた青春小説です。まるで子供の心のように(間違いなく子供の心を描いているのだけど)、
驚いて、笑って、泣いて、キスして、悲しんで…と場面は目まぐるしく変わりますが、
端的に表せば上記の4行ほどで表せる内容だし、不思議と共感もできます。
同時に、大人の心には深く突き刺さるものがあります。
それは、自分は特別でありたいと願いつつも、みんなとも仲良くしたいという
相反する二つの願望について、折り合いをつけたようでいながら
その実、見ないようにしていただけの自分を浮き彫りにされてしまうから。
とあるカートゥーンのネコちゃんだって、崖から飛び出したことに気が付かなきゃ
落ちることはないのに、スターガールは暗闇でただ歩いているつもりだった私たちに光を当て、
実は綱渡りをしていたことに気付かせます。
「そんなに私を、暴かないでくれ!」
と叫びたいような衝動に駆られ、怖くて子供のように泣いてしまいそうな気分になります。
…と、ちょっと脅かしてしまいましたが(w)、間違いなく面白い青春小説だし、
英米文学独特の言い回しも、たまには新鮮で良いものです。
読むのにちょっと覚悟がいるかもしれませんが、おススメの一冊ですよ!
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