『店長がバカすぎて』早見和真 著(2019年7月18日初版)角川春樹事務所※以降、ネタバレを含むかもしれませんのでご注意ください。
武蔵野書店吉祥寺本店の書店員、谷原京子は、そうでなくともクソ忙しい中、空気とタイミングの読めないバカ店長、プライドばかり高い学生バイトなどに頭を抱える日々。唯一の理解者であり憧れの先輩は不倫関係で辞めてしまい「こんな店マジで本気で辞めてやる!!」と常に爆発寸前!だけど、何故かかばんの底の辞表が出せなくて…すべての悩める社会人に贈る(?)ちょっぴりミステリーありのラブコメディ。最近暑くてあまり自転車に乗れないこともあり、ちょいちょい読書するようになってきて、
本著はタイトルに惹かれて冒頭をちょっと立ち読みしてみて、即購入決定。
誤解を恐れず言うならば、第一印象は”毒にも薬にもならなそう”。
「読書は(二回目以上の)人生の追体験」とか、
「生きるのに理由はないけど、生きがいはいくつもある」とか、
もはや手垢塗れのテーマ。だけど、つまらない本かというと決してそんなことはない。
各章で起承転結の構成がしっかりしていてダレるところがないし、
何より京子のツッコミのキレが素晴らしい!w
このキレがあるからこそ、この子はホント毎日周りのバカにイラッとしてるんだな
と分かるし、周りのキャラクターにもそれが伝わって
深く理解してくれる人が現れるんだろうなと腑に落ちる。
最終章の畳みかけるような謎解き(?)とドタバタラブコメ要素が楽しい!
すごくエンタメ性あふれる作品で、読了後には
「ん…まぁ、ぼちぼちいきましょか」
みたいな、前のめりでもなく逆ギレでもない(!)非常にフラットなやる気が出てくる、
今色々悩んでいる方にも肩肘張らずに読んでもらえて、もしかしたら救いになるかもしれない、
そんな一冊。
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