あたらし屋さんに通っていて、ご縁があって、こちらで接客のお仕事もされつつ
歌もやっている藤井えい子さんにお誘いいただき、ライブに行ってみました。
弾き語り3名に、落語も交えたバラエティに富んだ内容で
年忘れに相応しい面白いライヴでしたよ!
※光源が少なく写真がひどいです。ごめんなさいm(__)m※あと、後半あたりに若干ボヤきが入ります。苦手な方はご注意ください。
<多久和千絵さんのピアノ弾き語りからスタート>
今流行のぱっつん前髪もキュートな多久和さん。優しい音色のバラードからスタート。
島根のご出身ということで、日本海側の荒れた感じを想像してしまいますが(!?)、
終始、海底の白砂が見える明るいエメラルドグリーンのようであり、
底の見えないような藍のようでもあり、
どちらにしても、穏やかに凪いだ海をイメージさせるような優しいお声でした。
最後の「出来てるような…出来てないような感じ」の曲が
すごく好きなメロディでした。うん、歌詞なくても十分素敵!w
<鯉鮎亭ボタン(りねんていぼたん)くんの落語『ちりとてちん』>
わずか9歳から落語を始め(!)、現在15歳にして神戸で独演会(!!)を開くほどの
実力の持ち主、ボタン君。枕から噺への入り方もスムーズで、
正直、岡大落研の皆も”オチオチ”してられんよ!?と思いましたよ(*´ω`*)
本日の噺は『ちりとてちん』関東では『酢豆腐』として知られる有名な話です。
お酒の場にはピッタリのチョイスですね!…そのあたりもベテランの領域w
#あらすじは、飲み会の場でちょっとした余興がてら、日ごろ知ったかぶりばかりして
#嫌な奴だなと思っている人に、腐ってしまった豆腐を『酢豆腐(ないしは、ちりとてちん)』
#という非常に貴重な珍味だと言えば”当然そんなの知ってますよ”みたいな感じで
#食べるに違いないから、それを食べてもがいている様を見て楽しもうという
#悪戯を仕掛けるお話。演者の表情が笑いのカギであり腕の見せ所。
#面白さが分かり易いので、誰にでもとっつきやすいお話です。
上方落語では、この手の悪戯を仕掛けたりして相手を懲らしめる噺では
”やられた側がやり返して終わる”パターンが多いのが特徴で、
正直そこがあんまり好きになれなかったりするんですが、今回の落ちには舌を巻きましたね。
「(ちりとてちんはどんな味?と聞かれ)…まるで、豆腐の腐ったような味ですね」
要するに、とんでもない不味さを分析できる確かな舌を持っていることが明らかになり、
ということはこの企みの底を見抜きうることが示されて終わるわけです。
これには太宰治『人間失格』の主人公が竹一という少年に、
己の道化を「ワザとだ」見抜かれて戦々恐々とするシーンを彷彿としましたね。
ボタン君は噺の時に限らず、時々ものすごく鋭い目になることがあって、
目力の強さがハンパないです。ダレ場の長さに焦ってしまわず肝も座ってますし、
いつかは立川談志のような、演技力抜群の人情噺をやるかもしれません…恐ろしい子っ!
…ちょっとは見巧者みたいなこと言えるようになってきましたかね?w
<ゲスト村井敏郎さんのギター弾き語り>
恥ずかしながら存じ上げませんでしたが、岡山でラジオ番組を持ち
東日本大震災の被災地、福島にも何度も足を運んで精力的に活動されている村井さん。
熱心なファンの方もいらっしゃって、歌の途中に立ち上がったり涙したりなどもう大変!w
「(出演者の)平均年齢を上げてしまって申し訳ない」
と話していらっしゃいましたが、歌い始めると本日の出演者の中で
一番声に張りがあったように思います(*´ω`*)b
歌、演奏、MCともに、年輪を重ねた落ち着きみたいなものがあって
安心できるパフォーマンスでしたね。
<藤井えい子さんのギター弾き語り>
本日の大トリは藤井えい子さん。実はまいねの1歳下ながら、
中島みゆきの優しさと影のある感じや、加藤登紀子の気怠さを足して2で割ったような、
非常に円熟味のある良い声をされています。
ステージ上で煙草吸ってる時なんか(姐さん!)って心の中で叫んだくらいw
皆も「これが聴きたかったんだよね」とつぶやいていた『出世払い』など、
噛んで含めて話しかけるように、自分自身で噛みしめるように訥々と歌う様は、
良い意味で(この人幸せにならなそうだな)と思わせつつ(どこが良い意味だw)、
何とも言えない陰影を生み出していますね。
ーーー
さて、ここからぼやき。
ライブに何度か行っていて、たまに当たるのが
「お目当てのアーティストがいて、その他の人には目もくれない」
お客さんがいるライブ。…まぁ正直に言えばまいねも、そうしたこともあったので
偉そうなことなんか言えないんですが(苦笑)、
そのお客さんの行動が結構気になったりします。
写真を撮るときにフラッシュ焚いたり、15歳の落語家の目と鼻の先で絶えず煙草吸ってたり、
共演者の演奏見るより雑談してたり、MC中の演者と普通に会話しようとしたり、
友達へのサプライズで頭が一杯で雑音出しまくってたり、
観客の顔を携帯のライトを煌々と付けながら動画撮影してたり
#レンズに向かってガン飛ばしてたの、後で気づいてビビってくれますように…!w
それより何より、どうせライブ見るなら出演者皆を分け隔てなく見てあげたいとか
岡山の人たちと楽しいことをやって、少しでも青森との橋渡しがしたいとか
綺麗事並べている割りに、そんな雑音に気を取られて
ライブなんか全然聴いてられない自分が恥ずかしいし腹が立つ(見田村千晴の世界やねw)!
聴いてないって、一番不誠実じゃん!?
そんな忸怩たる思いを抱えて走るには、夜の表町商店街はあまりに閑散として真っ直ぐで、
自転車で全力疾走すると、冬の冷たい風が目に染みるのでした。
こりゃ、完全に情緒不安定やな。。orz
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