『舌~天皇の料理番が語る奇食珍味~』(初版:2008年12月)秋山徳蔵 著中公文庫※以降、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。
半世紀以上を天皇の料理番として働いていた秋山氏の、最高のグルメからキワモノまで、語りに語った一冊。また、食の中でも”触感”にスポットを当て、科学者たちの意見にときには大いに賛同し、ときには真っ向から対立しながら議論を深めている件も面白い。”学の方はからっきし”みたいなことを言いつつも、半世紀以上も料理を究めようとし続けた
秋山氏は、ある意味で一流の哲学者のようであり、ストイックな科学者のようであり、
そして純真無垢な子供のようでもある。
「皆が美味しいものを食べて、美味しいものを分け合って、
そんな平和な世界にならないものか」
今日日子供でも言わないようなこんな理想論を、大真面目に語っているあたりに、
快哉を叫ばずにはいられない。
ホント、美味しいものを食べたら皆幸せだと思うんだけどね…(*´ω`*)<だよね
身体に良い食べ物の話をしていたかと思えば、居酒屋のコップ酒の呑み方を熱心に語りだし、
食事のマナーを説いてる傍から下ネタをぶっ放したり(!)、
近所の話が面白いおじいちゃんのように軽妙、飄々としていて縦横無尽の語り口は
作家先生も”舌”を巻くほどの面白さ。是非お手に取って、味わってみてくださいな。
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