『モモ』(初版:1976年)ミヒャエル・エンデ 著大島かおり 訳岩波書店※以降、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。
どこにもない、どこにでもありそうなとある都会に、身寄りのない少女、モモが現れる。”他人の話をよく聞く”という才能があり、彼女のそばに来た者はついつい本音で話を始め、どんなケンカも仲直り。遊び始めれば面白いアイデアが生まれ、空想は無限に広がっていく。街の人々とモモが仲良くなり始めた頃、時間泥棒の集団が街に現れ、人々から”時間”を奪って世界を牛耳ろうと企んでいた。彼らの陰謀を阻止し、人々を救うことはできるのだろうか?一人の少女の、不思議な大冒険が始まる!西ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデによる、
時間をテーマにしたファンタジー小説の大傑作。
本著を読むのはもう4回目くらいになります。
まいねの読書人生において、何度も手放しては買い直し、読み直した唯一の本です。
#ずっと持ってても良いのだけど、”また手元に戻ってきた”っていう感覚が愛おしくて、
#あえて売り払っているようなところがありますねw
どんな種類の本にしろ、読んだ後にはそれなりの”成長”を人にもたらしてくれて、
何度も読み直したり考え直さなくても良いはずなのだけど、
それでも同じようなことで悩んだり立ち止まったりしている、
30歳半ばの「ええ歳こいた」おっさんにそっと寄り添って、
簡単な言葉で、押しつけがましくなく気付きを与えてくれます。
小さなことをこつこつと、楽しく積み上げていれば、気づかないうちに大きなことをやり遂げている ←でも、すぐに成果が欲しいんだけど…日々をガチャガチャとにぎやかに過ごしていても、全然楽しくなんかない ←でも、予定が空いていると何をして良いか分からなくなる…お金があれば、良い教育を受ければステキで楽しい人生になるはず ←そのためなら自分の時間を犠牲にしても仕方がない…気付けば誰にということもなく、自分の中に積み重ねてきた”でも”や言い訳の数々。
野狐禅の歌の文句じゃないけれど
「重ねれば重ねるほど薄っぺらになっていく」ことさえも
本当は気付いているのに(だって仕方ねぇじゃん)なんて言い訳したりしていて。
本著を読んでいるとそんな自分を浮き彫りにされて、
最初はちょっと反発したくなる気持ちにもなるのだけど、
ゆっくり噛んで含めるように語り掛けられているうちに、自然と反省するようになって、
蔑ろにしていた”何か一つ”に手を付けてみようかな、そんな気分になってきます。
気持ちを新たにするお正月にこそふさわしい、
読んだことがない方には、ぜひ人生で一度は!とおススメしたいですし、
読んだことがある方にも、買い直す価値はありますよ!とおススメしたい
そんな一冊です。
[2回]
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